シャドーの統合とは

最近、シャドー(シャドウ)という言葉をよく耳にするようになって、シャドーって何だろうと調べていたら、インテグラル・ライフ・プラクティスという本に出会いました。最近は、心理学でもスピリチュアルな世界の本が出ているのですね。

本の紹介

インテグラル・ライフ・プラクティスは、アメリカの現代思想家ケン・ウィルパーが21世紀に生きる人々に向けて自己成長と自己変容を起こすための方法論が書かれてる本です。
この本は、766ページもあり、色々な実践方法をわかりやすく書かれているのでオススメの一冊です。

私たちの常識、価値観や世界観の中で可能性を探っていくのではなくて、もっと高次元に存在する可能性に意識を向けて実現化するための方法が書かれています。頭で行動するのではなくて、実践が必要ということで実践方法がいくつも載っています。
自分の生活の環境に目を奪われたり、振り回されるのではなく、人間として生き、人間としての治癒と成長を実現していくにはどうしたら良いのかを学べます。

シャドー(影)は私たちの中にある”闇”の部分です。意識から排除してしてしまって、無意識の中に残っているものです。
この本に書かれているワークで気になったところを1つご紹介します。

相手は本当に鏡

相手は鏡と言うけれど、信じたくないところもありますよね。私は、ずっとそれを避けてきました。
「あんな奴と私が同じなんて絶対あり得ない!」と。
でも、この本を読んでいて、自分が嫌だと思う相手は自分自身なのだと腑に落ちることができました。
自分のシャドーの部分だからこそ「見たくない!」と思っていたのです。
でも、このシャドーを抱えていると「本来の自分」魂に沿って生きていないことに気づきました。シャドーがあると、どうしても自分自身を本当に愛せなくて、他人と比べて自分がダメだとなってしまいます。でも、それを統合することで自分自身がすごく生きやすくなるのです。

インテグラル・ライフ・プラクティスに取り組む

インテグラル・ライフ・プラクティスの取り組みは、真剣に自分の人生を生きることを意味しています。自分の意識を最大限に覚醒させる、目覚めさせてくれる本です。
インテグラル・ライフ・プラクティスをしていくことで、自分自身に慈愛、他者に対する慈愛が目覚め、自由と愛と豊かさを育めます。あるがままでいられることで自然に自分らしく生きれるようになるのです。
取り組む意義として、本から抜粋すると
・危機、痛み、苦悩を受容し解決すること
・全ての次元、、領域において、善い人間になること
・人間としての人徳と能力を鍛錬して生きること
・自己に対する執着を克服すること
・創造性を高めること
・人生の究極的な目的を発見・実現すること
・他者をより愛し、労わること
・世界に対して最大の貢献をすること
・生命、宇宙、スピリットとの関係性・共鳴性を深めること
などがあります。

毎日1分でもできるワークもたくさん書かれています。瞑想をしたりする時間がなくても手軽にできるところがこのインテグラル・ライフ・プラクティスの良いところです。
人はそう簡単には変われませんよね。毎日コツコツ積み上げていくしかないのが現実です。この世の中には、あっという間に人生が変わるようなことを伝えている方がいますが、それはないことはわかっていると思います。でも、ついつい早く変わりたいので、その話に乗ってしまい、多額の料金を払っても変わらなかったりします。一瞬一瞬を大切に生きていくことの方が近道です。習慣化してコツコツしていると、数ヶ月後に自分が変わっていることに気づくものだと思います。

シャドーワーク

自分の中にシャドーを持っていると、それをいつも見えない、わからないようにするために膨大なエネルギーを使っているんですって。変なところでエネルギーを使っていたのです。シャドーワークをするとそれを開放することができて、自分自身の成長と変容のためにエネルギーを注げるようになるので、やった方が良いですよね。なので、受け入れ難いことがあると思いますが、自分のシャドーを意識化して解放してあげましょう。
自分の中で抑圧された無意識の衝動や、感情、欲求、能力を意識化するには、まず受け入れることです。

3-2-1シャドー・プロセス

シャドーとなるプロセスには三段階あります。1(一人称)→2(二人称)→3(三人称)と言うプロセスを通して生まれます。シャドープロセスはその逆3→2→1と行なっていきます。

一人称の認識は、「私は、怒りを覚えている」「私は落ち込んでいる」「私は妬みを感じている」→「それは悪いことではない」

二人称の認識は、自分の中にある側面が受け入れ難いとなると、「私」という意識から追い出して、二人称に仕立てあげます。「あなたは刺々しい」「あなたは短期だ」「あなたは怠惰だ」→「しかし、私はそうではない」

三人称の意識は、2以上に感情や状況の脅威が巨大となると完全に拒絶が必要となります。そして、自分ではなく、相手でもなく、全く関係ない「それ」として完全に放棄してしまう意識です。拒絶したものを遠くに追いやってしまうので、「怒り?何のこと?」となり完全なる未知で暗黒なものになります。これをシャドーと言います。

三人称になるともう自分ではわからない世界ですよね。それを思い出すために3→2→1のプロセスをしていくのです。

色々な方法が本には書かれていますが、ここでは身近で嫌いな人を一人選びます。親、恋人、兄弟、上司などあなたをイライラさせる人、心をかき乱す人などです。

1. 三人称のワーク(それと向き合う)
思い浮かんだ人のことを生き生きと細かく思い描きます。イラつく上司なら、いつもせかしてくる、何かとどうでもいいことを言ってくる、この癖が嫌い、喋り方が嫌いなど特徴をこと細かく描写していきます。するとその人を観察できるようになります。

2. 二人称のワーク(それに話しかける)
イメージの中で、選んだ人に「あなた」「お前」など二人称を用いて話しかけていきます。「あなたはどこから来たの?」「何故、あなたはいつもせかしてくるの?」「何故、あなたはどうでもいいこと言ってくるの?」「何故、あなたはそんな変な癖があるの?」「あなたは私に何を求めているの?」・・・と対話をしていき、会話を紙に書いていくことで、拒絶して遠くに追いやった感情などとの関係を築けるようになり、一歩心を通わせることができるようになります。

3. 一人称のワーク(それに成ること)
あなたを動揺させる嫌いな上司とイメージの中で会話していくことで、その人になりきってみます。その人がどう思っているのかなどいろんな感情をその人になって感じてみます。今その人はどんなことを感じているのか、毎日どんな気分で過ごしているのか、何故そうなってしまったのかと感情を一つひとつ丁寧に感じ取ります。その上司とあなたは似ているだけではなく、あなた自身だと言うことに気づきます。あなたを動揺させるものと自己を同一化する言葉、「私は〜である」「〜は私である」と書き留めます。
すごく嫌いな人と同じ?という違和感は多少あるかもしれませんが、会話を通して認めることができると思いますので、宣言をしてみてください。

最初は、時間がかかるかもしれませんが、慣れてくると三人称から一人称へと直ぐに頭の中でできるようになります。客観的に自分を観れるようになる感じです。

まとめ

このシャドーワークって、すごく重くてやりたくないかもしれません。でも、無かったことにすることに膨大なエネルギーを使うことを知ったら、もったいないですよね。もっと楽しいことにエネルギーを持っていけるなら、絶対シャドーは解放し、統合するのが良いと思いました。統合できると、気持ちはすごく軽くなって、自由を感じられ、心は平穏になってきます。毎日、幸せと感謝を感じられて生きられるようになります。
そうすると、変な人や嫌な人はいなくなり、毎日がいつの間にか平和で心が豊かに感じられますよ。

インテグラル・ライフ・プラクティスは、シャドーの他にマインドやボディ、スピリチュアルな面での実践方法も書かれています。興味がある方は是非読んでみてください。(本をクリックするとAmazonに飛ぶようになっています)